MEL認証の仕組み
1.名称と目的
マリン・エコラベル・ジャパン(MEL メル)は、国際的に認められている日本発の水産エコラベル認証制度です。 水産資源の持続性と環境に配慮している事業者(漁業・養殖業)を第三者が審査し認証します。その水産物を使用して流通・加工する事業者も認証を必要とします。それらを経て水産物にMELのロゴマークを付与し消費者に届ける仕組みです。MELを目印とした「持続可能な水産物」を消費者の皆様から積極的に選んでいただくことで、豊かな海を守りながら日本の水産業と魚食文化の発展に寄与することを目指しています。
MELは、FAOが2005年3月にローマで採択した水産エコラベルのガイドラインに沿った仕組みとなっており、広く国際社会に受け入れられる国際標準スキームとして活動しています。同時に、豊かな生物的、産業的、食文化的多様性に恵まれた日本において、歴史的かつ特徴的な漁業資源管理、環境への配慮を行ってきた日本の水産業の特徴を反映した仕組みとなっています。
制度の名称 | マリン・エコラベル・ジャパン |
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英語名称 | Marine Eco-Label Japan |
略称 | MEL(メル) |
制度の運営者 | 一般社団法人マリン・エコラベル・ジャパン協議会 |
英語名称 | Marine Eco-Label Japan Council |
豊かな多様性に恵まれた日本の自然・産業・食文化を反映した「日本発 世界に認めらた水産エコラベル」として、日本の水産業を輝かせ、社会のお役に立てるMELを目指しており、中小規模の漁業者および加工業者が多い日本の実情を鑑み、認証取得にかかる経済的負担をできる限り抑制することもその使命と考えています。
”未来につなげよう海と魚と魚食文化”や”多様性豊かな日本の海の恵みを世界へ”をスローガンとし、 日本の水産業の新たな発展と魚食文化の継承を通して「海の豊かさを守ろう」「つくる責任つかう責任」 などのSDGsの目標達成に資しています。
2.制度の概略
(1)制度の運営(スキームオーナー)
MELの運営は、(一社)マリン・エコラベル・ジャパン協議会が行っています。
2007年の制度発足当初は、大日本水産会内の事業として運営されていましたが、国内外の水産エコラベルへの関心に応える形で、2016年12月に一般社団法人マリン・エコラベル・ジャパン協議会(以下「協議会」という)を設立し、その事業を引き継ぐとともに、国際標準化に向けた透明性、公平性を確保するための改革を行い、現在に至っています。
(2)制度の仕組み
<規格や判定基準の開発>
MEL協議会は、組織や事業全般の運営を統括する理事会や役員とは別に、認証基準(以下「認証規格」という)や、実際に審査を行うための規格適合の判定基準(以下「判定基準」という)などを作成・管理するための「規格委員会」を設置するとともに、制度運営に必要な活動を企画・作成するための各種「作業部会」を設置することで、協議会の外部の有識者も含めた広範囲で客観的な観点からの支援を受け構成され、制度運営や普及活動などに取組んでいます。
*規格・認証スキーム管理運営規則
*規格・認証スキーム管理運営規則に関する細則
*規格委員会設置要領
各種お申し立てにつきましては「苦情処理規程」をご一読いただき「苦情異議等申立書」をMEL協議会事務局窓口までご提出ください。
<MEL ワークプログラム>
*MELワークプログラム_20210301-20210901
*MELワークプログラム‗20210901-20220228
*MELワークプログラム_20220401-20220930
*MELワークプログラム_20221001-20230331
*MELワークプログラム_20230401-20230930
*MELワークプログラム_20231001-20240331
<MEL ニュース>
活動状況は逐次ホームページに掲載しておりますが、毎月「MEL ニュース」としてトピックスをお届けしております。
*MELニュースアーカイブへ
<国際標準化への取組み>
MELの公平性、透明性を担保し、FAOのガイドラインに沿った運営を実施していると評価され、国際標準の認証制度として信頼を得るためには、Global Sustainable Seafood Initiative (以下「GSSI」という)のような国際的な機関からの承認を受けていくことが重要です。
MELは2019年12月12日(現地時間)、GSSIからの承認を取得しました。(詳細はこちら)
2023年9月21日(現地時間)、GSSIのBenchmark Tool Version2の審査が完了し、世界で2番目に承認されました。(詳細はこちら)
<第三者認証の仕組み>
認証は公平かつ客観的に行われなければなりません。従って、認証を行うのはスキームオーナーとは別の独立した、一定の能力を有する組織でなければなりません。このことを担保するために、認証を行う「認証機関」は、その機関の能力を評価する「認定機関」から認定を受け、更にその「認定機関」は国際的にその資格を保証されていなければなりません。
これらの仕組みが揃うことにより、MELは海外でも通用し、信頼される水産エコラベルとなります。
(3)認証機関
認証機関は、独立した、公平で中立的な判断と精度の高い審査を実施する、認証の種類ごとに一定の技術的知識および経験を有する法人であり、協議会の方針およびMELの理念に整合するとともに、認定機関により認定を受ける必要があります。これらを満たすことで、スキームオーナーである協議会に認証機関として登録され、MELの認証審査を実施することができます。
また、認証機関は、スキーム文書である「認証を行う機関に対する要求事項」を満たすとともに、協議会が別途作成する「MEL審査員研修手順書」に基づき、認証審査員のトレーニングが実施されていることを確実にします。
認証機関は、認証取得希望者からの申請により、規格と判定基準に基づいて審査を行うとともに、協議会への審査報告、認証内容についての定期的な管理を行うことが必要です。
(4)認定機関
認定機関は、認証機関がMELの認証審査業務を行う能力を有することを第三者機関として認定し、認証機関の技術力と信頼性を確保しつつ、それらが適切に維持されていることを監視する機関です。
また、認定機関は、スキームオーナーおよび認証機関およびそれらの関係者から独立し、公平で中立的かつ、認定を行うために一定の技術的知識および経験を有する法人であり、協議会の方針およびMELの理念に整合すると判断される機関であることが必要とされます。
一方、認証機関と同様に、認定機関についても国際的な承認あるいは所属がなければ制度全体としての国際性が担保できません。従って、協議会は、協議会の方針およびMELの理念を理解する認定機関にMELの認証機関についての認定業務を依頼することとし、公益財団法人日本適合性認定協会(以下「JAB」という)をMELの認定機関としています。JABは国際認定機関フォーラム(IAF)に加盟しており、ISO基準によって製品認証機関や検査機関などの認定を行っている機関です。
名称 | 公益財団法人 日本適合性認定協会 Japan Accreditation Board (JAB) |
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所在地 | 〒108-0014 東京都港区芝4丁目2-3 NMF芝ビル2階 |
設立年月日 | 1993年11月1日 公益法人移行日2010年7月1日 (登記日) |
主管官庁 | 内閣府 (2010年6月以前 経済産業省・国土交通省(民法第34条) |
URL | https://www.jab.or.jp |
更新:2024年1月