調査目的・方法
目 的
今回の調査は、MELの設立以来、一斉に事業者の皆様からのご意見をお聞きする初めての大規模調査です。
得られた結果を精査し、制度全体の改善に活用することを目的としています。
実施期間 | 2024年10月18日(金)~11月8日(木) | ||
調査方法 | オンライン | ||
回答件数 | 159件(事業者数) 回答率70.4% | ||
内 訳 | 漁業認証事業者 | 22件 / 25件(認証件数) | 88% (回答率) |
養殖認証事業者 | 38件 / 69件(〃) | 55% (〃) | |
CoC認証事業者 | 123件/166件(〃) | 74% (〃) |
*生産段階と流通加工段階の重複回答あり
調査結果の概要
1. 認証取得の理由
「生産物や商品の付加価値向上、他社との差別化」、「取引先にMEL取得を求められたため」という理由が多く挙げられました。自由記述では、日本発祥の認証制度であること、MELの考えに共感したという意見が複数上げられました。
2. 取得の効果
MEL取得の効果は、「生産物や商品の付加価値向上、他社との差別化につながった」「取引が継続できた」「自社のデータを整理・見直すきっかけになった」と意見が多く挙げられました。他方で、輸出・販路の拡大への寄与は少なく、また、効果は「特にない」という意見も挙げられました。
認証規格 | ある | ない |
漁業 | 63% | 37% |
養殖 | 68% | 32% |
CoC | 61% | 39% |
3. 取得後の課題
「更新審査に向けた資料準備」、「認証維持に係るコスト負担」といった課題認識が多く、また「販売先がない」という課題も浮き彫りになりました。自由記述欄では、「認知度が低い」という意見が多く、その結果「付加価値を感じる消費者が少ない」、「取引先が重要視しない・求めていない」といった意見もありました。
主 な 自 由 意 見
- MELの認知度が低い(消費者、取引先)
- MELを求める取引先が少ない
- MELに付加価値を感じる消費者が少ない
- MELの原料が限定される
- MELの商品としての差別化がない
4. 認証継続の希望
7割以上の人が、MEL認証を継続したいという希望を持っていることが明らかになりました。
他方で、「いいえ」「迷っている」の理由として、「認証の維持に係るコストが高い」「MEL商品の販売先がない」が挙げられました。
認証規格 | はい | 迷っている | いいえ |
漁業 | 81% | 17% | 2% |
養殖 | 85% | 15% | 0% |
CoC | 74% | 23% | 3% |
5.MELに対する期待
「国内外での認知度や付加価値を高めてほしい」という意見が多く挙げられました。
6.MELに対する意見
自由意見には大変多くの方から貴重なご意見をいただきました。
特に「認知度向上のための販促資材の作成及びPR活動」、「小売店等を対象とした講習会」、「認証取得者情報の共有(HP掲載)」、「MEL商品を集めた商談会」を望む意見が多く挙げられました。
主 な 自 由 意 見
- 小売・量販店など販売先向けの講習会等の実施
- MEL商品を対象とした商談会の開催
- MEL商品リスト、販促資料の共有
- 認知度向上や理解促進のためのPR活動
- 更新費用・手続きの軽減
最後に
この度は、「MEL認証取得者の皆様へ向けた実態調査」にご協力いただきありがとうございました。
自由記述欄にも、多くの皆様から貴重なコメントを多数いただき、感謝申し上げます。
今回の調査により、MELが「生産物や商品の付加価値向上、他社との差別化につながった」、「自社のデータを整理・見直すきっかけになった」というプラスの効果を感じていただいていることが明らかになりました。
他方で、「MELを取得した効果は特にない」「資料の準備が大変」といったご意見も少なからずいただきました。
また、MELの認知度の低さ、付加価値を感じてもらえる消費者が少ない点を指摘するご意見も多くありました。
今回の調査結果を踏まえ、 MEL認証の水産関係者、流通業者、消費者等への認知度向上に向けた広報活動のための情報提供等を強化してまいります。
また、「日本発の世界が認める水産エコラベル」のスキームオーナーとして取り組むべき課題を整理し、認証規格の改良をはじめ、認知度の向上他、制度全体の改善に向けて、更に努力してまいります。
引き続き、ご理解・ご協力いただきますようよろしくお願いいたします。