MELニュース2019年 11月 第20号

暦の上では「小雪」です。長期予報は暖冬とされていますが、北海道では早や吹雪の報道が続いています。
11月は、皆様にとって本業の取りかえしと様々な催しへの参加等多忙な月であったと推察します。多くの皆様にお目にかかりましたが、厳しい環境の中でも前向きに活動しておられる姿に心を強くしております。
MEL協議会は、上期の活動を総括する理事会を開催しました。理事、監事の各位に加え、アドバイザリーボードの皆様にもご出席いただき貴重なご意見を頂戴しました。内容はMELホームページに掲載します。
MELニュースの11月号は、事務局がタイで開催されたSEAFDEC(東南アジア漁業開発センター)と大日本水産会共催による「MEL Week in Bangkok」参加のため発行が遅れましたことをお詫び申し上げます。

1.GSSIの承認関連

GSSIの審査は大詰めの段階であります。GSSIの審査員(IE)及びベンチマーク委員会による申請書類の最終チェックとMEL承認の理事会に対する推薦、更にパブリックコメント1件1件に対する答が全て纏まり、現在理事会メンバーによる最終審査中との連絡を受けています。一部の日刊紙に観測記事が報道されていますが、間もなく承認公表となることを期待しております。
アジアから初めての申請であり、加えてパブコメに対する過去最高の件数のコメントが寄せられたこともあり、GSSIの審査員および事務局がルールに則ってステップを踏みながら極めて慎重かつ丁寧に対応した姿が伺えます。
繰り返しになりますが、水産エコラベルが「やっている振り」の隠れ簑にならない様、自他ともに厳しく身を処しているということでもあります。
その分承認をお待ちいただいている事業者の皆様にはイライラが募るかと思いますが、2017年に取り組んで以来の関係の皆様の想いと努力の積み重ねの結果でありますので、どうかもうしばらくご辛抱をいただく様お願いします。

2.第17回理事会開催について

11月19日に理事会を開催しました。今回は前回の理事会でご承認いただきましたアドバイザリーボード設置要領に基づき、ボードメンバーにも出席いただきました。役員だけでなくアドバイザリーボードの皆様からも貴重なご意見をいただき活発な理事会となりました。なお、議事内容は以下の通りでした。
① 報告事項 令和元年度上半期事業報告並びに財務状況について
② 第1号議案 諸規定の変更
 「ロゴマーク使用・管理規程」のロゴマークの使用許諾料について、認証事業者の規模により適切な区分となるよう改正案が承認されました。具体的には、養殖認証については、従業員数に応じた許諾料について、従業員数の枠の見直し、CoC認証については、従業員数の枠から取扱高(売上高)に応じて許諾料が変動するように変更しました。なお3、5、10万円の金額の区分は変わっておりません。HPにて改定版を掲載しておりますので、詳細をご確認いただければ幸いです。
③ 第2号議案 その他
・新たに認証機関として、(公社)北海道栽培漁業振興公社様よりお申し出があった旨事務局よりご報告し、今後の事務手続き等については事務局に一任いただくことで、承認されました。
・移行期間中における認証ロゴマーク使用について、GSSIパブコメ等からの指摘事項として、MELのロゴ表示を新旧で明確に区別するため「V1」、「V2」を付す旨説明されました。

(11月19日 MEL協議会理事会)

3.認証審査に関して

現在、コンサルから認証決定待ち迄の案件は13件あります。時間がかかっている認証審査に関し、関係者で打合せを重ねており、1件1件原因を顕在化させ対応の実行に移っております。
これ等の打ち手を通して、現在23件の新MELの認証を来年の前半には80件程度まで増やせると考えています。
旧認証(漁業、流通加工のVer.1.0)から新認証への移行も順次動き始めました。例えば、遠洋カツオ一本釣り漁業に関しては、本年12月に有効期限が来る流通加工が新認証へ移行するのに合わせ、漁業(2020年12月まで有効)も並行して新認証への移行が決定され準備中であります。
先月号でもご報告し、また理事会でもご承認をいただきました、旧認証から新認証への移行をスムーズに行うための準備については、MEL協議会と日水資で手分けし、各社・団体ごとに打ち合わせすることを考えております。
一方、早いもので、新認証による漁業の第1号の北海道漁連様の秋サケ定置網漁
業、同じく養殖の第1号の東町漁協のブリ小割生簀養殖の年次審査が行われました。漁業Ver.2.0および養殖Ver.1.0に沿って行われ大きな問題なく終了しましたが、認証機関にとっては厳しいスケジュールが続きます。
 また海外の事業所における認証について、はじめてのケースとして、北海道漁連様の中国の青島市にある協力工場のCoC認証の審査に入る準備を始めております。保税加工でありますので、流通加工段階認証規格(Ver.2.0)を適用して審査を行うことで対応可能と考えております。

4.イベント関連

11月17日、日比谷公園で開催された第7回「Fish-1グランプリ」(主催:全漁連)にブースを出展し、ステージにおいて認定取得者の活動報告としてクロマグロ養殖でMEL認証を取得された金子産業様に登壇いただくとともに、MELのご紹介をいたしました。幸い好天に恵まれ多くの家族連れの消費者の皆様との交流の機会となりました。
Fish-1グランプリに来場される皆様ですから当然かもしれませんが、魚大好きがこんなに沢山いらっしゃることをとてもうれしく思いました。子供さんたちの魚に対する興味にも、とても手応えを感じました。一昨年は十三漁業協同組合様にヤマトシジミのご紹介を、昨年は東町漁協様にブリ養殖のお話しをして頂きとても好評でした。
今後も、できる限り多くの認証取得者の皆様にお声掛けして皆様の事業のご紹介をしたいと考えています。

(11月17日 Fish-1グランプリ)

11月26~27日にタイのバンコックで「MEL Week in Bangkok」がSEAFDEC(東南アジア漁業開発センター)と大日本水産会の共催で開催され、垣添と田村が認証取得者とともに参加しました。1日目はセミナーでMELの現状のご報告とともに、多様性の点で似ている日本と東南アジアの国々の間で情報を共有しながら、水産物の持続的利用を推進すること提案し皆様から賛同をいただきました。2日目には日本大使公邸をお借りして、MEL認証付き商品のご紹介と試食商談会を行い、参加いただいた現地の関係者の皆様から好評をいただきました。タイは東南アジアでは日本食に対するインフラが最も整っている国と言われており、それにふさわしい会となりました。アンケート調査等分析の結果は来月号でご報告させていただきます。
お世話になりました多くの皆様にお礼を申し上げます。

(11月26日 SEAFDECのセミナー)

(11月27日 在タイ 日本大使館のイベント)

5.事務局関連

今月より事務局員の交代がありました。認証取得者の皆様との連絡窓口を
務めておりました小林由香里が退職し、荒薦美沙(あらこも みさ)が後任と
して着任しました。小林に対する皆様のご支援に深謝申し上げますとともに、
新任の荒薦もどうかよろしくお願い申し上げます。

多くの皆様から様々なご意見をいただいております。先月号でもご報告しました三重県鳥羽磯部漁協和具浦支所によるワカメの養殖認証取得を支えて来られた佐藤力生様(鳥羽磯部漁協監事、答志島在住)のコメント「日本の社会経済全体の多様性や事業者間の格差拡大が起こらない様な仕組みこそ、本当のエコではないか?」はとても胸に響きました。和具浦支所はイセエビの漁業やサワラの一本釣り等、自然体で水産物の持続的利用を推進しておられる活動は、MELが目指す日本の特長を生かしたいという考え方にそのままつながると思います。
和具浦支所の取り組みが、ワカメだけにとどまらず三重県全体の水産エコラベルへの活動に拡がって行く手応えを感じております。
 
すぐ師走。水産業に取っては最も大切な月です。今年は、漁期が大幅に遅れているだけに、皆様にとってすべてを一度にやらなければならないことになりますがご健闘を心よりお祈りします。

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事務局からのお知らせ
 12月13日(金)10:30より赤坂インターシティコンファレンスにおいて、
 第2回MELワークショップを開催します。
 今回は、認証取得をどう事業に生かすかにポイントをおき、認証に関する取り
組みの実例をお話しいただく予定です。
 これから認証をどう生かすかあるいは認証取得をお考えの皆様には広くご参加
いただければ、各地で開催しております講習会とは違った生の声が聴けます
ので、ご出席をご案内します。
出席を希望される方は、MELのホームページよりお申し込みください。

第2回マリン・エコラベル・ジャパン(MEL)ワークショップ「世界で輝く日本の水産物を目指して」(12/13@東京)を開催します

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以上